カウントダウン
「死んだ人間はな、火葬場で焼かれて灰になっておしまいなんだ!

忍が遺書を探せってメッセージを送ってきたって?

そんなバカな話があるわけないだろ!」


「でも、これはウソじゃなくて……」


「忍は交通事故で死んだのに遺書なんてあるはずがねぇだろ!

お前らは帰れ!

二度とここに来るんじゃねぇ!」


忍の父はすごい剣幕でそう言うと、奥の部屋へと戻っていった。


そして玄関に取り残された私たちは、忍の遺書を探すこともできずに玄関で立ち尽くしていた。


(私たちが頼んでいるのにあんな言い方って……。

私は忍の父親が大嫌い。

あんな人が人の親になるなんて、絶対におかしいよ……)


私が目的を達成できなかったことに落ち込み、うつ向いていると、雄一が私に優しく話しかけてきた。


「一旦、ここから出よう。

あの人じゃ、会話にならないよ」


私は雄一のその言葉に小さくうなずいた。


そして私たちは忍のアパートを出ていった。
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