カウントダウン
「今日も一人ぼっちね。

さみしいんじゃないかと思って来てあげたの」


私はそう言った柏木愛美の言葉に反応せずに、じっと机を見つめていた。


時間が経てば、いつかは柏木愛美もいなくなる。


それまで私は石になろう。


私はどんな言葉にも傷つかない。


そんなことを思いながら。


でも現実は私が望む方向には行かなかった。


柏木愛美はいつものように、私に心ない言葉を浴びせてきたのだ。


「聞いてんのかよ、陰キャ眼鏡。

お前はブスなだけじゃなくて、耳まで悪いのかよ」


柏木愛美が得意気にそう言うと、柏木愛美の取り巻きたちが、ゲラゲラと私をバカにするように笑い出した。


私はこの嫌な状況から逃げることもできずに、無言で机を見つめていた。
< 221 / 294 >
表紙・目次

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop