カウントダウン
『復讐日記』第十五章
【6月10日】

今日は珍しく特別なことがあった。


八年ぶりにお母さんに会ったのだ。


ずっと何の連絡もないお母さんと会うことは二度ないと思っていたのに、偶然にお母さんと会うと何だか少しうれしかった。


私を捨てて家を出ていったお母さんをあんなに憎んでいたはずなのに、私は街で見かけたお母さんに話しかけていた。


いつもは消極的な私なのに、そのときだけはまるで違う自分が乗り移ったかのように。


私に話しかけられたお母さんはすごく驚いた顔をしていた。


でも、しばらくしてお母さんは笑ってくれた。


お母さんは少し年を取っていたけど、あの優しい笑顔は私が大好きだったお母さんの笑顔だ。


お母さんは突然会った私を喫茶店に誘ってくれた。


私たちが喫茶店に入り席に着くと、お母さんが好きなものを頼んでいいと言ったので、私はコーラとイチゴのショートケーキを注文した。


そして私は少しドキドキしながら、久しぶりにお母さんと話していた。
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