カウントダウン
「忍の遺書のことを私は知らない。

それに、忍が自殺したなんて、私には信じられない」


忍のお母さんが言ったその言葉が、私の未来を暗闇に変えていた。


やっぱり忍のお母さんも忍の遺書のことを知らないのだ。


だとしたら、忍の遺書はどこにあるのか?


手がかりのない探しものは、広大な砂漠の中で小さな石ころを見つけるくらいに無理な話だ。


だとしたら、忍の呪いは決して解けない。


私はもうすぐ忍の呪いで死ぬだろう。


もう無理だ……。


私に残された時間はあと少ししかないのだから。
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