カウントダウン
「梨花、忍の遺書の手がかりをつかんだぞ。

これでやっと忍の遺書が見つかるかもしれない。

忍の呪いが終わるかもしれない」


「そうだね、雄一君。

忍のお母さんは忍の大切な場所を知っていたんだね」


「八年ぶりに会った忍と忍のお母さんは、何を話していたんだろう?

忍はどうしてお母さんに自分の大切な場所を教えたのだろう?」


「そうだね。

三年二組の教室では何も話さなかった忍だから、私たちには忍の気持ちがわからない。

忍が普段、何を思い、何を考えていたのか……」


私はまだ忍が生きていたとき、忍の気持ちを知りたいなんて思ったことは一度もなかった。


でも、今ではあのときの忍の気持ちを真剣に知りたいと思っていた。


忍は居場所がなかったあの教室で、毎日何を思い、何を考え、私たちをどう思っていたのか。


その答えが明日、見つかるような気がしていた。


忍の呪いが終わるような予感がしていた。
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