カウントダウン
「みんな、オレの言ったことはウソじゃない。

忍はオレたちのことを憎んでいる。

オレたち全員に呪いの力で復讐をしようとしているんだ!」


貴史の熱のこもった言葉に返事をする者はいなかった。


「何でだよ。

オレの言葉を信じろよ。

オレだけじゃない。

お前たちだって、殺されるかもしれないんだぞ!」


叫ぶようにしてそう言った貴史を私はバカだと思っていた。


だって、忍の幽霊や復讐や呪いの存在を認めたならば、その人は忍の死に関わりを持っていることを自ら告白しているようなものだ。


忍の死は自殺じゃないかと、このクラスの生徒はみんな薄々感じているのを私は知っている。


でも、誰だって忍の死を自殺じゃないって思いたいに決まっているんだ。


この教室で忍へのいじめたに荷担していた日々が、後悔へと変わってしまうから。
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