カウントダウン
「忍は私たちのせいで死んだんじゃない……。

あいつがクズでのろまでブスだから、世の中から弾かれたのよ」


私は誰にも聞こえないような小さな声で本心をつぶやいていた。


いじめられるような奴は自分に原因があるのだ。


誰もがいじめても大丈夫な相手を本能的に嗅ぎ分け、弱者に群がり、集団でそいつをいじめるのだ。


そんないじめの標的にされるようなクズと違って、私は何をやっても平均以上だし、ルックスはクラスで一番だ。


いいとこなしの杉田忍なんかじゃなくて、男子からチヤホヤされる柏木愛美として生まれてきた時点で、私は勝ち組なんだ。


私がそう思って忍を見下し、ほくそ笑むと、私の背後から低く不気味な声が聞こえてきた。


「柏木愛美……。

私はお前が私にしたことを忘れない。

お前への復讐が私の生きた証なんだ」
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