カウントダウン
(こいつら全員、オレの敵かよ!

オレを助けてもくれないくせに、オレを蔑むような目で見やがって。

昨日まで友達だと思っていたのに……。

お前らは本当に最低だよ!)


オレは居場所を失った教室で冷たい視線に耐えていた。


忍の呪いを何度も口にしたオレは、こいつらにとって気味の悪い存在なのかもしれない。


でも、もしもオレが主張している忍の呪いが本物だったら、次に呪われるのはこいつらだ。


そしてそのとき、呪われたこのクラスの誰かはオレと同じように孤独を味わい、忍のカウントダウンに怯えるだろう。


時計の針が前に進むにつれて、リアルな死が自分に迫ってくるこの感覚を、こいつらにもわからせたい。


そうしたらきっと、みんなが必死になって忍の遺書を探すはずなのに……。


オレがそんなことを思っていたとき、教室の真ん中から不気味な笑い声が聞こえてきた。


オレはその不気味な声に寒気を感じるほどにゾッとしながら、その声の方に目を向けた。
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