カウントダウン
(もしかして、オレが美保子をやったのか?)


オレの頭の中にあってはならない悪夢のような現実の可能性が思い浮かぶと、オレは自分の未来が閉じていく恐怖を感じて震えていた。


(美保子の席に座っていたのは陰キャ眼鏡の忍だった。

オレはオレをにらんでいる忍を突き飛ばして、忍の首を絞めたはずなのに……。

オレは忍をこの世から消し去ろうとしただけなのに……)


オレは目の前に広がっている状況から現実を理解し始め、自分がしでかしたことの重大さに驚愕していた。


オレは何の罪もないクラスメイトの清水美保子を殺そうとしていたのだ。


それは決して間違いでは済まされない重大な過ちだ。


オレは殺人未遂を犯した犯罪者。


もうオレは普通の中学生ではいられない……。
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