カウントダウン
「私は言葉を交わさなくてもお前の気持ちはわかっていた。

お前の冷たい視線はずっと私にこう言っていたんだ」


そう言った忍の声は私への憎しみに満ちていた。


私はそんな忍の逆恨みが恐ろしかった。


「『お前みたいなゴミは私の視界から消えろ。

私とお前は違う世界の人間的なんだ』って……」


私は忍のその言葉を聞いて、私の本心を一つも間違わずに見抜かれていたことにドキリとしていた。


「恵まれているお前が私は嫌いだ

だから私はお前を理不尽に殺してやるんだ。

カウントダウンは止まらない。

三日以内にお前は死ぬ……」


忍はそう言うと、まるで空気に溶け込んだかのように姿を消した。


そしてそれと同時に、私にかかっていた強烈な金縛りは解けていた。
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