カウントダウン
「カウントダウン……」


忍はそう言うと、まばたき一つせずに見開いた目を私に向けて言葉を続けた。


「お前へのカウントダウンはもうすぐ終わる。

お前はもう生きられない」


「き、消えて……」


私は込み上げてくる恐怖の中で、搾り出しように声を上げた。


「私はあなたをいじめていない……。

復讐する相手は他にいるのに……」


忍はまるで私の言葉が聞こえていないように私の言葉をスルーした。


そして無防備な私に危害を加えるために、ゆっくりと私の方へと歩き始めた。


私と忍の距離が縮まっていくのを見ていたとき、私の心臓がドクンと跳ねた。


(私は忍に殺される……?)


そんなリアルな恐怖が私の体を走り抜けていた。
< 73 / 294 >

この作品をシェア

pagetop