カウントダウン
「美保子、どうしたの?

いったい何に怯えているの?」


母が私を心配する声がした。


でも、今のこの状況を母に話す余裕はないし、話してみても伝わらないに違いない。


本当は助けて欲しい。


そこに忍がいるのに……。


冷たい風が私の頬をなでた。


窓ガラスが開いているらしい。


そんなことが私の頭をよぎったとき、私の足が勝手に窓の方へと向かい始めた。


私は想像すらしていなかったこの現象に驚き、恐怖で目を見開いていた。
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