カウントダウン
『復讐日記』第五章
【5月31日】

私には何の取り柄もない。


私は部屋の中で鏡を見ながら、どうして杉田忍に生まれてきたんだろうって思ってしまうことがある。


メガネの向こう側にある私の一重の細い目は、私の印象を暗くし、絶望的なくらいに私をブスに見せている。


もしも私が二重のキレイな目をしていたならば、私は陰キャ眼鏡なんて言われなかったんじゃないか?


もっと明るい性格になれたんじゃないか?


私は鏡に映る自分に息ばかりが漏れてしまう。


私はどうして杉田忍に生まれたのだろう?


もしも私が杉田忍以外の誰かに生まれていたら……。
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