カウントダウン
だけど梅田先生は私を助けてくれなかった。


体操着のことだって、クラスの誰がこんなことをしたのかを明確に言えなかった私を逆に責めるような口調で問い詰めてきたくらいだ。


私は弱い人間だから誰かに強い口調で何かを言われたら、途端に言葉が出なくなる。


自分が悪くなかったとしても、自分が悪いことをしてしまったような気持ちになってしまう。


梅田先生は私を諭すことで、クラスにはいじめがなかったことにしようとしたのだ。


私は心の中で必死に助けてと叫んでいたのに……。


私を助けられるのは梅田先生しかいなかったのに……。


結局、その後、私はあのクラスでいじめによる更なる地獄を味わった。


それも全部、梅田先生のせいだ。


梅田先生が私を助けてくれないから……。
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