都合のいいふたり
涼介の賭け(涼介サイド)
俺は部屋に戻ると、静かにガッツポーズをした。
あゆとデートだ!
あゆと抱き合った次の朝、俺は取り返しのつかない失言をしてしまった。
「プライベートは干渉しない。」
俺としては、あゆの弱みにつけ込んでしまった後悔の中、今までの関係を壊したくないという一心からの言葉だった。
でも、あゆはそうは受け取らなかった。
今思えば当然だと思うけれど、未だに何が正解だったのかも分からない。
あゆは「利害の一致だった。」と言い放った。
でも、それが本心だとは思えない。
あゆは傷付き苦しんでいた。あんなに泣いたあゆを見たのは初めてだった。母親を亡くしてからずっと、ひとりの寂しさに耐えながら、生きてきたんだと思う。
あゆは父親と会うつもりはないと言ってるけど、きっと、この家に住み続けているのは、家族の繋がりを捨てきれないからだ。
俺は本気で「あゆを守りたい。」と思った。
でも、あゆを悲しませた俺には、まだ、それを言う資格はない。
だから、あの夜から1ヶ月、俺はあゆとの距離を図りながら、少しずつあゆとの関係を再構築することに全身全霊を掛けてきた。
あゆとデートだ!
あゆと抱き合った次の朝、俺は取り返しのつかない失言をしてしまった。
「プライベートは干渉しない。」
俺としては、あゆの弱みにつけ込んでしまった後悔の中、今までの関係を壊したくないという一心からの言葉だった。
でも、あゆはそうは受け取らなかった。
今思えば当然だと思うけれど、未だに何が正解だったのかも分からない。
あゆは「利害の一致だった。」と言い放った。
でも、それが本心だとは思えない。
あゆは傷付き苦しんでいた。あんなに泣いたあゆを見たのは初めてだった。母親を亡くしてからずっと、ひとりの寂しさに耐えながら、生きてきたんだと思う。
あゆは父親と会うつもりはないと言ってるけど、きっと、この家に住み続けているのは、家族の繋がりを捨てきれないからだ。
俺は本気で「あゆを守りたい。」と思った。
でも、あゆを悲しませた俺には、まだ、それを言う資格はない。
だから、あの夜から1ヶ月、俺はあゆとの距離を図りながら、少しずつあゆとの関係を再構築することに全身全霊を掛けてきた。