都合のいいふたり
確かに、おじいちゃんの言葉通り、「他人を信用し過ぎない」様にはしているけど、私だって人は選んでいるつもりだ。
でも、涼介と暮らし始めて、人への信頼は頭で考えて判断するものではないと知った。
私の心が勝手に涼介に向けて開いて行く。
お母さんやお爺ちゃんを「この人は信頼できる」なんて考えた事はなかった。産まれた時から、私の記憶より前から一緒にいたのだから当然なのだけど、涼介への感覚はそれと似ている気がする。
そもそもあの夜だって、涼介じゃなければ寂しいだけで抱かれたりしない。
今までだって、寂しさは一人で耐えてきたのだから。
あの時、ホテルで涼介のいる家に帰りたいと思ったし、お母さん以外の前であんなに泣いたのは、私の記憶のある限り初めてだった。
あの頃から既に、いつも温かく受け止めてくれる涼介の存在が私を支えていたし、だから彼との別れも決意ができた。
なのに、「利害の一致」と言ってしまった。
人と向き合い慣れていない私は、いつも大事な時に、上手く言葉を使えない。
きっと、あの言葉は涼介を傷付けたし、私自身も傷付いた。
私は今更だけど、失言を後悔する。
でも、涼介と暮らし始めて、人への信頼は頭で考えて判断するものではないと知った。
私の心が勝手に涼介に向けて開いて行く。
お母さんやお爺ちゃんを「この人は信頼できる」なんて考えた事はなかった。産まれた時から、私の記憶より前から一緒にいたのだから当然なのだけど、涼介への感覚はそれと似ている気がする。
そもそもあの夜だって、涼介じゃなければ寂しいだけで抱かれたりしない。
今までだって、寂しさは一人で耐えてきたのだから。
あの時、ホテルで涼介のいる家に帰りたいと思ったし、お母さん以外の前であんなに泣いたのは、私の記憶のある限り初めてだった。
あの頃から既に、いつも温かく受け止めてくれる涼介の存在が私を支えていたし、だから彼との別れも決意ができた。
なのに、「利害の一致」と言ってしまった。
人と向き合い慣れていない私は、いつも大事な時に、上手く言葉を使えない。
きっと、あの言葉は涼介を傷付けたし、私自身も傷付いた。
私は今更だけど、失言を後悔する。