都合のいいふたり
マンションはメゾネットタイプだから、2階の私のプライベートゾーンには決して立ち入らない事。
異性は連れ込まないこと。
各自の食事・洗濯はそれぞれで行うこと。

トイレとお風呂は、私の部屋にシャワールームがあるので、私は基本2階、涼介は1階を使用すること。
掃除はもちろん各自で。

それから、お互いのプライベートは
一切、干渉しないこと。

「誓約書」を作成して涼介にサイン貰い、キッチンの冷蔵庫に貼った。

「こんなことまでしなくても、ちゃんとルールを守るよ。俺のこと、信用してないの?」

「してない。」

「うわっ、ハッキリ言い過ぎ。俺、傷付くわ。」

友達としては信頼しているけど、一緒に住むとなると話は別だ。

涼介は文句を言いながらも誓約書にサインをした。そして、実際に生活が始まった後も、誓約書通りのルールをちゃんと守ってくれた。

だから、同居生活は私の想像以上に快適で、 2週間を過ぎた頃には、私は今までに経験したことのなかった生活を楽しんでさえいた。

涼介の存在は、週末の寂しい時間を埋めてくれ、時々、一緒に夕食を食べたり、一緒にお酒を飲んだり、今までの独りだった時間に彩りを与えてくれた。
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