都合のいいふたり
「前から、あゆは俺のもんだって言ってるだろ。ってことは、必然的に俺はあゆのものだろ。」

「意味が分からない。」

「あゆは好きでもない男に抱かれるの?俺は、好きでもない女を抱いたりしないけど。」

「涼介の馬鹿!ちゃんと言われなきゃ分かんないよ、そんなの。」

「そうだよな、確かに。」

涼介が私の前に座り直し、じっと目を見つめられた。

「あゆ、大好きだよ。俺があゆを一生守るから。」

私は涼介の胸に反射的に飛び込んだ。

「あゆが自分から甘えてくるのは、初めてだな。俺、もっとあゆに頼ってもらえる男になるから。」

涼介が優しく頭を撫でてくれる。

「私は涼介がいるだけで安心できるよ。」

「ごめんな、今まで、俺はっきりしてなくて。でも、居候のままじゃ、あゆを幸せにできないと思って。」

涙が次から次へと溢れてくる。

「幸せの涙?」

涼介が聞いてくる。
こんなに心を癒す涙は、それ以外にない。

「うん。」

「俺達、幸せになろうな。」

「私、幸せになってもいいの?」
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