藍先輩の危険な溺愛レッスン。
どうお願いしてもレッスンは中止してくれそうにない。


「ほらここでちゃんと見てるから」


「でも」


「なにかあったら助けてあげるから」


「絶対ですよ」


「任せろ」


仕方がないなってあきらめて渋々歩き出した。


「絶対ですからね」


3歩だけ歩くと振り返って念押しする。


「はやくいって、あっ俺コーラね」


「はあ」


もしかしたらただのパシリにされてるだけだったりして。


時々先輩のいる方を振り返りながらのろのろ進んでいく。


少し歩いてからもう一度振り返ると、先輩に数名の女子たちが近づいてきているみたいでギョッとした。


大胆なビキニ姿の彼女たちは、あっという間に彼を取り囲んでしまった。


彼は一緒に遊ぼうって誘われているみたいでハラハラした。


うそ、どうしよ。


だけど先輩は慣れているのか少しも動じていない。


自然な笑顔でスマートに受け答えしているのを見て胸の奥がもやもやした。


やめて、彼は私の護衛役なんだから誰もとらないで。


思わずビキニ女子たちをギギギッて睨んでいた。
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