藍先輩の危険な溺愛レッスン。
「はい、もう一回」


へ?この声は?


この冷静なそして軽い声は。


心から嬉しくて振り返った。


「うんその調子で、周りに助けを求めるのもいいかもね」


「先輩、遅いよ」


「ごめんごめん」


彼は二っと笑って眩しそうに私を見つめている。


そしておもむろに、3人の男に向き直る。


「手を離してもらえますか?」


先輩は低くて落ち着いた声でそう言って素早く男の手を振り払ってくれた。


「ってーな、なんだよおまえ」


私は急いで先輩の胸にとびこんだ。


「彼氏ですけど」


先輩はあんまり動じる風でもなくさらりとそう言って相手を見下ろす。


へ?彼氏?


あ、今だけそういうことにしてるんだよね。


一瞬ドキッとしちゃったよ。


「まだやりますか?彼女の代わりに俺が相手しますよ」


先輩は胸の前で拳を組み合わせて指を鳴らす。
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