藍先輩の危険な溺愛レッスン。
いかにも喧嘩に自信がありますっていう堂々とした威圧感。


えーっ、藍先輩ってまさかの武闘派だったの?


普段のちゃらけた雰囲気はどこへやら、眼光鋭く睨む姿に背中がゾクゾクする。


その場に一瞬緊張が走るけど、顔を見合わせる男たち。


周りもざわざわして私達に注目している。


よく見たらその人たちは先輩よりも背が低くてひょろっとしている。


「ま、マジになるなよな。こんなことくらいで」


どうやら、喧嘩をしてまで事を荒立てても損だと思ったみたい。


「んだよっ。いちゃつきやがって」


「チ、めんどくせー」


「女一人にするなっての」


男たちは捨てセリフを残してそそくさとその場から立ち去って行った。


「ああよかった」


全身の力が抜けて大きく息を吐いた。


「愛菜ちゃん、大丈夫?」


「う、うん」
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