藍先輩の危険な溺愛レッスン。
「よく1人で頑張ったね、声もしっかり出てたし感心したよ。もう離れなくていいからね」


彼は優しくそう言って頭を撫でたり背中をポンポンしてくれた。


よく頑張ったって褒めてもらえて胸の奥がほわっと熱くなる。


ちょっとだけ誇らしい。


ミッションクリアってことだよね。


私大きな声でちゃんと助けを呼べた。


先輩が必ず来てくれるような気がしたから。


「ごめん。まさかあんな3人がかりとは思わなくて」


先輩は申し訳なさそうに眉を寄せる。


「うん、でも助けてくれてありがとう」


「しかし予想以上だね、正直驚いた」


ため息混じりに小さく息を吐いた。


「え、なにが?」


「愛菜ちゃんがここまで移動する間、いろんな奴に狙われてたみたいで。
あの3人だけじゃなかったよ」


「そ、そうなんだ」


それを聞いてますます恐怖がつのった。
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