藍先輩の危険な溺愛レッスン。

「愛菜ちゃん、今日は先に行ってなよ。俺が権田くんと話しをするから」


「え、本当ですか？」


藍先輩には傍にいるから自分で断るようにって方向でいつも言われているんだけど今日はなぜだか助けてもらえるみたい。


「すみません。よろしくお願いします、それじゃあ」


「あ、愛菜ちゃん待って」


背中に権田さんの寂しそうな声が聞こえたけど私は逃げるように駆け出した。


先輩に任せておけば何とかしてもらえるかもって思った。


正直毎朝権田さんの相手をするのがうんざりしていたから。





そういうわけで、この日は先輩と中途半端な形で別れてしまったんだけど。


教室に着いてからあることに気が付いた。


「あ、先輩にお弁当を渡すの忘れちゃった」


どうしよう、せっかく一生懸命作ったのに。


先輩の好きなおかずをたくさん入れてあげたし、それに早弁用のおにぎりもある。


「愛菜どうしたの？」