藍先輩の危険な溺愛レッスン。
3年生の教室がある校舎は1年生の教室からは少し離れた場所にあり、普段足を踏み入れることがない。


校内では校舎が別々のせいか藍先輩とすれ違うこともほとんどなかった。


「あーやっぱり3年生って大人っぽい人が多いよね」


瑠夏ちゃんが小声で言うので、そうだねって相槌を打つ。


確かに、ついこの間まで中学生だった私達とはまとっているオーラがみんな違うように見えた。


3年1組、藍先輩のクラスの前でお弁当をぎゅっと握りしめて中を覗き込んだ。


私の目は彼をいち早く見つける。


どんなにたくさん人がいても、彼のところだけスポットライトがあたっているみたいに見える。


「藍先輩……」


彼は笑顔で誰かと話していてこっちに気が付かない。


でも、なんだか少し違和感があって。


凄く楽しそうな彼はいつも私の前で見せる表情と少しだけ違ってて。

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