藍先輩の危険な溺愛レッスン。

その後、二駅ほどずっと先輩に見つめられていたんだけどうまく睨み返すことなんて出来っこなかった。


「……」


だって、イケメンすぎるんだもん。


至近距離で見つめられると、胸がドキドキしてうつむいた。


「や、むりです……」


「そんなことじゃ、いつまでも男慣れできないよ」


男慣れって……なんだか変な意味に聞こえるんだけど。


そんなの簡単に慣れたくありませんが。


「こうやって眉間に皺をよせて、目を細めて」


そう言って先輩はお手本のように顔をつくる。


おおっ、イケメンの睨んだ顔はさらにイケメン度が増すものなんだな。


って感心している場合じゃない。


「こ、こうですか？」


彼に言われた通りにやってみた。


「もっと口をゆがませてみて」


「は、はい。こうですか？」