藍先輩の危険な溺愛レッスン。
『え?ほんとに?』
『ただし……』
先輩は屈んでますます顔を近づける。
彼の目線の先には私の唇。
キスされる?
ああ、どうしよ。身体が動かない。
『きゃっ』
なぜかいきなり親指で唇をゴシゴシとこすられたのでびっくりした。
『リップはつけずにおいで』
あ、バレてたんだ。
以前はほぼスッピンだったんだけど、最近になって薄いピンク色のリップを付けだしたんだ。
色気付いてんじゃねーぞって釘を刺されたような気がしてギクッとした。
だって、私だってたまにはオシャレしたいもん。
それなのに、とっちゃうなんてひどいな。
『どうして?』
『そいつに可愛い顔を見せる必要なんてないだろ』
そういうことか……。
『う、うん』
『それにキスするとどうせとれちゃうから』
思わせぶりにウィンクされて、目を丸くする。
『へ?』