藍先輩の危険な溺愛レッスン。
彼が何のことを言ってるのかわからなくて呆然。


先輩は自分の親指をペロッと舐めるから、そのしぐさに目を奪われる。


さっき、私の唇に触れた親指。


間接キスとまでは言えないけれど、恥ずかしくて顔が熱くなる。


『誰と……キスするの?』


ドキドキしながら尋ねたのに、さあねってはぐらかされた。


『わからないんだ?』


『うん』


『それなら、後のお楽しみってことで』


けだるげにハアって息を吐く先輩。


まるで、そんなこともわからないのかと呆れているみたい。


朝から、色気が全開のそのまなざしから目をそらした。


彼は私の頭をそっと撫でてから、じゃあって言って3年生の校舎の方へ足を向けた。




そして3時間目の休み時間。


私は手紙のことなんてそっちのけで今朝先輩が言ったことばかり考えていた。


あれってどういう意味なんだろ。
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