藍先輩の危険な溺愛レッスン。
だけど、他の男子に比べたらまだ話しやすいかも。


だって相手が私以上におどおどしているから怖くはない。


そういう安心感は確かにあるから。


「あ、えっと友だちってことなら」


そう言っておずおずと手を差し出した。


一瞬、指先が触れただけで彼は手を引っ込めた。


「あ、ありがとう、じゃ、じゃあそういうことで……」


話しながら、廊下を走り出す彼。


嬉しそうだけど、耳まで赤い。


彼はあっという間に走り去って行ってしまった。


うーん、多分もうあれ以上女子と二人でいるだけで限界だったんだろうな。


その気持ちわからないでもないよ。


私もまったく同じような経験があるもん。


彼に協力してあげてもいいかなって気がしたし、第一自分自身のためにもなるかもしれないなって思った。


「浮気だ……」


え?この声は。


「先輩、いつからいたんですか?」
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