藍先輩の危険な溺愛レッスン。
「意地悪」


「そうだな、俺は愛菜ちゃんよりちょっとだけ年上だから」


ただそれだけじゃなくて、経験値の差が凄いんだ。


「私が先輩への気持ちを言ったら、先輩も教えてくれる?」


「なにを?」


「先輩の気持ち」


「いいよ」


本当はまだ言いたくない。


だって、言ってしまえば多分何かが変わっていくような気がするの。


それが、怖いって思うのに知りたくてたまらないのは……。


先輩の心。


「私、先輩のことが……」


意を決して口を開いたら。


コンコン。


視聴覚教室のドアをノックする音がして我にかえった。


夢の中から突然覚めたような感覚。


急いで、先輩から離れて制服の乱れがないか確認した。


やだっ、いつのまにか胸のリボンがはずされてる。


もうっ先輩ったら。


「藍?いるの?」


ドアの向こうからか細い女の人の声がする。


「あ、雪乃か?」
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