藍先輩の危険な溺愛レッスン。
「反省してる」


「……」


「愛菜ちゃんを守るためのボディーガードなのにこんなんじゃ失格だよな」


彼はなんだか私以上に落ち込んでいるみたい。


「けど、2度とあんなことはしないって約束はできないかも」


小さくため息を吐いた。


「え」


「俺はいつでも愛菜ちゃんに、触れたいって思ってる」


さらっと凄いことを言われて一瞬息をのんだ。


「あ、えっとそれは」


「意味わかる?」


「……たぶん」


「たぶんか……じゃあたぶん当たってると思う」


彼は照れ臭そうにそう言って、夜空を見上げた。


「くさいこと言ってもいい?」


「はい」


「今夜は月が綺麗ですね」


そう言われて上を見たら不格好に欠けた月がうすぼんやり光っていた。


あんまり綺麗じゃないとは思うけれど。


「そうですね」


突っ込むのもどうかと思って適当に相槌を打った。


「わからないか……」
< 171 / 332 >

この作品をシェア

pagetop