藍先輩の危険な溺愛レッスン。
ちょっとがっかりしたように額に手を当てる。


「なにをですか?」


「ちゃんと自分の言葉で言わないと駄目だね」


彼は自重気味に笑った。


「はあ」


「俺、はじめは本当に兄貴のような気持ちだっだけど、気がついたら愛菜ちゃんを自分のものにしたくなってた」


まるで雷にうたれたみたいに私の身体中に電気が走った。


「あ、えと……」


「俺、愛菜ちゃんのことを好きみたい」


歩きながらまっすぐ前を向いたまま彼はポツリとそう言った。


聞いたことがないような真剣な声からは彼の気持ちが伝わってきた。


「今は知っててくれるだけでいいから」


「……うん」


無意識に握った手に力がこもった。


恥ずかしいのと嬉しいのと信じられない気持ちが混ざり合って、顔を上げられない。


爆発するんじゃないかってくらい心臓が早鐘を打つ。


「あ、家に着いたね。鍵ある?」
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