藍先輩の危険な溺愛レッスン。
もしそうだとしたら、先輩に聞いてもこれ以上教えてもらえないような気がする。


知りたい、でも……。


先輩の秘密を勝手に他の人から聞くのなんていけないことのような気もする。


そう思ってずっと悩んでいたんだけど、結局昼休みになると彼に言われた通り、サッカー部の部室の前にやってきていた。


瑠夏ちゃんに言ったらきっと行かないほうがいいよって止められるだろう。


だから、お弁当を食べ終わってから誰にも言わずにこっそり教室を抜け出してきた。


ガチャ。


部室のドアが開いて中から権田さんが顔を出した。


「愛菜ちゃん来てくれたんだね」


そう言って顔を輝かせる。


「あ、あの……藍先輩の秘密ってなんですか？」


早速彼に尋ねた。


それさえ聞いたらすぐに教室へ戻ろうと思っていたから。


「まあ、ゆっくり話そうよ」


「でも……あっ」


強引に腕を引かれて部室の中へ引きこまれた。
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