藍先輩の危険な溺愛レッスン。
「ほんとに内緒の話だからさ」


「あの、やっぱり私帰ります」


当然のことながら、部室には誰もいなくて焦った。


2人きりっていうことが急に怖くなってきた。


「大丈夫だよ、話をするだけだから」


「本当ですか?」


「うん、もちろんだよ」


権田さんは爽やかに笑っている。


だけどいつもの彼じゃないみたいな作り物の笑顔に見えて余計に違和感があった。


まるで、わざと落ち着いて見せようとしているみたい。


「この間、藍先輩に言われたんだよね。愛菜ちゃんに嫌な思いはさせるなって。だからこれからは気を付けようと思って」


「は、はあそうなんですか」


つい先日、権田さんが絡んできたときに藍先輩に任せて逃げたときがあったっけ。


その時に二人はどんな話をしていたんだろう。
< 188 / 332 >

この作品をシェア

pagetop