藍先輩の危険な溺愛レッスン。
「あ」


「部室に鍵までかけられて、どんなに危なかったかまだわからない?」


チラッと権田さんを一瞥する。


権田さんは石井さんに肩を押さえられて、下を向いている。


片方の頬が赤くなっているみたい。


さっき先輩が殴ったためだろうと気づいた。


「藍、すまん。
こいつには責任持って俺が言ってきかせるから。
これ以上大事にはしないでやって欲しい」


石井さんのお願いに藍先輩は、硬い表情のまま頷いた。


「2度と彼女に構うなよ」


権田さんに冷たい声でそう言ってまた私に向き直る。


「愛菜ちゃんもちゃんと自覚して」


強い口調で言われて、胸がズキッてした。


「でも」


叱られたような気がしてしょんぼりする。


軽率な行動をしたから、彼に呆れられてしまったかな。


「ほんとに、雪乃が教えてくれなかったらどうなっていたか」
< 197 / 332 >

この作品をシェア

pagetop