藍先輩の危険な溺愛レッスン。
ハッーて深い息を吐く先輩の顔をまじまじと見つめた。


どうしてここで彼女の名前が出るんだろう。


「雪乃さんがどうかしたんですか?」


「ああ、午前中に権田が愛菜ちゃんに話しかけているのを見てなにか気になるから注意した方がいいって忠告してくれて」


「それにいろいろ探して見つからなかったからもしかしたらここかもしれないって言って石井を呼んできてくれたんだよ」


「そ、そうだったんですか」


彼女に助けてもらったんだ、私。


ううん、雪乃さんはそうやってこれまでずっと藍先輩の役に立ってきたのかもしれない。


藍先輩のために。


彼女はとても頭がよさそうな人だった。


さっき権田さんが言っていたように一緒に生徒会活動をしていた時も会長の彼のために陰ひなたとなって尽くしていたのかな。


「あの、雪乃さんはいまどこに」

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