藍先輩の危険な溺愛レッスン。
だけど、寂しくて心の底から悲鳴を上げそうだった。


あの笑顔を今一番欲しがってるのは私なのに。


ひどいよ先輩……。


瞳の奥がかぁっと熱くなってこらえきれそうにない。


ずっと我慢していたけど寂しさが頂点に達してしまったみたい。


藍先輩は私の、私だけのボデイガードなのに……。


誰にも渡したくないのに。


プシュー。


その時、電車が駅に着いて扉が開いた。


まだ降りる駅ではなかったのに扉の近くにいた私は思わず電車から降りてしまった。


俯きながらホームの端っこで小さく震えていた。


もうなんにも見たくない、何にも考えたくない。


ポタポタと瞳からしずくが落ちてくるから手で押さえた。


何回ぬぐってもあとからあとからあふれ出してきて苦しい。


こんなことで泣くくらいなら意地をはらなければよかったのに。
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