藍先輩の危険な溺愛レッスン。
いつものポーカーフェイスでさらりとかわされてしまう。


「愛菜の幸せそうな顔見たら、ちょっとうらやましいなって思うけど。クラスの男子なんてガキっぽくてやだよ。それに相手も私のことなんて女として見てないし」


「そ、そうかな」


『相手も』って具体的な誰かを指しているような口ぶり。


やっぱりクラスメイトで誰か気になってる人がいるってことだ。


「ね、ねえ瑠夏ちゃん」


私が口をひらいたその時。


「瑠夏っ」


さっきまで窓際の席で男子達と話していた中島くんが私達のもとへ歩み寄ってきた。


途端に緊張した私は机の上に置いていた手をサッと膝の上に隠した。


「なによ、名前で呼ぶんじゃないわよ」


瑠夏ちゃんはムッとした表情になる。


「別にいいだろ」


あらら、中島くんも怖い顔。


「なによ」


いつものように喧嘩腰の二人。
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