藍先輩の危険な溺愛レッスン。
私は邪魔にならないようにサササッと先輩から離れた。


そっか、先輩って有名人なんだ。


確かに、芸能人並みの華やかな容姿だしかなりモテそう。


私は学校での彼のことはほとんど知らないんだ。


知り合ったのは、学校以外の場所だから。


だけど、こうして女子生徒たちからチヤホヤされている彼を見ると遠い人になっちゃったみたいな気がした。


寂しいとまでは言わないけど、疎外感というか。


「九条先輩、カッコイイ」


誰かがそう言ったのが聞こえてハッとした。


そっか、先輩の名字はクジョウって言うんだ。


そんなことすら知らなかったな。


ぼんやりしていたらトンと肩に手を置かれた。


「愛菜ちゃん、おっ、おは、おはよう」
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