藍先輩の危険な溺愛レッスン。
嫉妬
「愛菜ちゃん」
その日の昼休みのこと、大好きな声を背中に感じて振り返った。
教室の後ろの扉の前で手を振ってニコニコ笑ってこっちを見ている藍先輩。
「先輩」
実は今朝お願いした通り、雪乃さんと石井さんにお礼を言うために先輩が私の教室まで迎えに来てくれたんだ。
「じゃあ行ってくるね」
すぐに席を立って瑠夏ちゃんに声をかけた。
「うん、相変わらず藍先輩ってかっこいいね」
「えへへ」
自分自身が褒められたような気持ちになってくすぐったい。
うちのクラスの女子達も一気にテンションが上がったみたいに高揚して先輩の方を見つめている。
たしかに、1年生の教室には似つかわしくないほど大人っぽいイケメンだからみんなびっくりしているみたい。
男子だって、その場で固まって見惚れている人がいるくらいだ。