藍先輩の危険な溺愛レッスン。
追いかけられると逃げ出したくなるのが人の本能らしい。


凄い勢いで追いかけてくるから一生懸命走った。


廊下ですれ違う人にじろじろ見られたり笑われたり。


一体何をやらされてるんだろう。


先輩と一緒にいると本当に大変。


「も、やだー」


「遅いぞ、ほらもっと逃げろ」


「ひー」


すぐ後ろまで追いつかれたけど、まだ捕まってはいない。


まるで、私が焦ってるのを見て喜んでるみたい。


どうしようもない人だ。


だいたいこんな足が長くて体格のいい男の人に走りで叶うわけない。


それでもなんとか体育館の入り口に到着した。


これで、ようやくゴールだ。


トンって体育館に足を踏み入れたと同時に身体が宙に浮いた。


「はい捕まえたっ」


「ひゃうっ……」


後ろから軽々と抱えあげられて心臓が口から飛び出しそう。
< 228 / 332 >

この作品をシェア

pagetop