藍先輩の危険な溺愛レッスン。
「うーんとね、あの日の翌日から藍としばらく喧嘩していたみたいだし、もしかしたらって思ってたの」


すごい、洞察力だ。


さすが昨年の生徒会副会長さんだな。


とても知的なオーラが漂っている。


「はい、いろいろと聞いて。それでちょっと戸惑ってしまって。藍先輩のことがよくわからなくなって悲しくなって」


「そう」


彼女は思案するように目を伏せた。


そして少ししてゆっくりと口をひらいた。


「でもそんなの全部信じなくていいと思うよ」


「え?でも」


どんなことを言われたのか彼女にはおおよその見当がついているのかな。


そんなくちぶりだったから。


「以前からよく変な風に噂されたりしてたのは知ってるけど、藍と私はただの幼なじみだから」


「あ、はい」


「私が知る限り、藍はこれまで自分から女子に対して積極的になる人じゃなかったの。あの人、黙っていてもたくさん向こうから寄ってくるしね」
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