藍先輩の危険な溺愛レッスン。
「すき」


「嬉しいな、初めてだね。愛菜ちゃんが好きって言ってくれたの」


背の高い先輩に包み込まれてよろけそうになる。


強い力だったからびっくりした。


いつもの彼はそっと私を抱きしめるのに。


「愛菜ちゃん、俺も好きだよ」


「うん」


だけど、彼を困らせてばかりいる自分が情け無くて謝りたかった。


「ごめんね」


「どうして謝るの?」


心配そうにのぞき込む瞳。


「泣いてばっかりで弱くて」


「泣くことは悪いことじゃないよ。
辛くなったら俺のところにきて。
いつでもこうやって抱きしめるから」


また彼の腕の力が強くなる。


「うん」


見上げたら優しい笑顔があって、素直に嬉しかった。


「弱いのは俺も同じだ。
愛菜ちゃんを想うぶんだけどんどん弱くなっていく気持ちはある。
だけど、それは相手を大切に思ってるからだと思う」


「うん」


そこまで聞くと、胸がジワリと熱くなり満たされていく。


「愛菜ちゃんの知りたいことは?」


「もういい」


「どうして?」


「好きでいてくれたらもういいよ」


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