藍先輩の危険な溺愛レッスン。
チラッと上目遣いに見上げたら彼と目が合う。


意地悪な視線。


でも、自分から言えっこない。


「どうしていつも帰りにするかわかる?」


「な、なにをですか?知りません」


咄嗟にわからないフリをしたけど、胸がドキドキしてきた。


これって、焦らされてるのかな。


だけど、その場から動けない。


「まだわからない?俺が部屋の中でキスしない理由」


彼が切なげに私を見つめている気がした。


「わ、わかんない」


開いたドアがまた少し閉められた。


それを合図のように彼が少し屈んだので私も顔を上向ける。


チュとおでこに軽くキスされた。


ドキドキドキ。


彼の唇の感触が全身に伝わってきて、胸の奥が熱くときめく。


いつもなぜか唇以外のところにされる。


まるでそんな決まりでもあるみたいに。


どうして?って。
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