藍先輩の危険な溺愛レッスン。
もしかしたらお化粧をしているからあんまり好みじゃなかったのかも。


いつだったか、私が学校に薄い口紅を付けて行った時に拭き取られたときがあったし。


彼が気に入ってくれなかったって思ったら急に悲しくなった。


「そうじゃないよ。あんまり綺麗だからびっくりした」


「ほんとに?」


「ああ、いつもは可愛い感じだけど今日はとても綺麗だよ」


「うん」


彼は嘘をついているような気はしなかったけど。


元気がないような気がしてちょっと不安。


「浴衣も似合ってる……けど」


先輩はまだ何か言いたそうにしていたけど黙ってしまった。


私の頬にそっと手が添えられてドキッとする。


射るような眼差し。


眼鏡を外すしぐさに胸がドキドキした。


あ、キス?


顔が近づいてきたかと思ったら首筋に彼の唇が触れた。


「あっ……」
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