藍先輩の危険な溺愛レッスン。
どういうこと?


私の家の近くの駅に勝手に迎えに来てるって?


約束なんてした覚えはない。


視線を感じて横を見たら先輩が胸の前で腕を組んで鋭い目でこちらを見ている。


よりによってなんてタイミングが悪いの。


原くんの声が大きいから、藍先輩にも聞こえているみたい。


「だからさー、俺たちと一緒に行こうよ」


電話の向こうから他の男子の声もする。


背筋に冷たいものが走った。


もしかしたらあのアイドル好きの3人組が駅で待ち構えているんだろうか。


先輩も見ているしここはちゃんと断らなきゃ。


「あのっ、私は一緒に行く約束なんてしていないし……結構です」


「でもさあ、愛菜ちゃんは妖精さんだから俺たちが守ってあげたいんだ」


「だから違うから」


「今日は俺達とずっと一緒にいよう」


こっちは嫌がっているのに全然話を聞く気がないみたい。
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