藍先輩の危険な溺愛レッスン。
そして私を見つめる瞳にはかすかな苛立ちが見えた。


「先輩、待ってください。どうしてお祭りに行ったらダメなんですか?
そんなに過保護にしてもらわなくても大丈夫ですから」


「ここからでも花火は見えるよ。少し遠いけど」


彼は私の手を握るけど目を合わせない。


「そういう意味じゃなくて」


「またひどい目にあったらどうするんだよ。
こんなに綺麗な愛菜ちゃんを外にだすのは心配だ」


どうしたの?先輩、いつものあなたらしくないよ。


先輩は私を優しく見守ってくれていたのに。


「先輩」


「初めからこうしていればよかった。
愛菜ちゃんを誰の目にも触れさせないようにすれば」


「……」


「何も考えないで。今夜は俺の言う通りにして」


そう言って彼はゆっくりと私をベッドに押し倒した。


熱っぽい瞳に見下ろされて身動きできない。


「誰にも渡さない」
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