藍先輩の危険な溺愛レッスン。
ポツリと小さく呟く。


「今すぐ俺のものにしたい」


「せんぱい」


「じゃないと安心できない」


彼は私の頬に触れようと手を伸ばした。


咄嗟に首をふって拒絶する。


「先輩、今は嫌。まだ怖い」


泣きそうな声がでた。


先輩のことは本当に好き。
だけど、まだ心の準備ができてない。


それに、彼の言ってることが本心じゃないような気もした。


窓からは夕焼けが差し込み彼の横顔を照らしていた。


彼は私の手を握りしめて、小さく息を吐いてうなだれる。


あ。


その心細そうな辛そうな顔を見たら急に切なくなった。


そんな顔しないで、先輩。


心配でもう離れられなくなっちゃうよ。


「本当はこんな強引に奪いたくない。
もっとゆっくり待つつもりでいたんだ。
でもどうしょうもない」
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