藍先輩の危険な溺愛レッスン。
出来ればもうこの場から一刻も早く立ち去りたいくらい。


男子が苦手な私はもういっぱいいっぱいだった。


助けをもとめるように藍先輩を上目遣いに見つめる。


先輩はわかったというようにうなずく。


「じゃあ、今日のところはこれくらいにしてくれるかな?」


先輩は権田さんに向き直って私の代わりに返事をしてくれた。


「でも、俺。まだ全然気持ちを伝えきれてないし」


権田さんは、どうしてかモジモジ恥ずかしそうにしている。


「俺、愛菜ちゃんともっと仲良くなりたいんす」


「うーん、でも今日のところは出直したら?愛菜ちゃんすっかり怯えちゃってるし」


私は先輩にコクコクうなずく。


そして寄り添うように彼にひっついていた。


「愛菜ちゃん……藍先輩が好きなの?そんなにくっついて」
< 28 / 332 >

この作品をシェア

pagetop