藍先輩の危険な溺愛レッスン。
「え?」


覆い被さる彼の頬を両手で包みこんだ。


少し恥ずかしかったけど、私から顔を近づけて彼の唇にキスをした。


大好きだよって伝わるようにしばらく唇を離さなかった。


少ししてから離すと今度は柔らかい頬にキスをする。


小鳥がついばむように何度か繰り返した。


先輩の笑顔が戻りますように。


私の大好きなあの笑顔がまた見れますように。


彼は目を見開き微動だにしない。


不思議、こんな無防備な先輩が可愛くて愛しくてたまらない。


夕陽のオレンジ色に染まる彼の顔は、赤みを帯びて見える。


「先輩、好き」


「俺もだよ」


「私をこんな風に部屋に閉じ込めなくても大丈夫です。
私は先輩だけのものだから」


うっとりしながら彼を上目遣いに見つめる。


「うん」


「私をいつも先輩のここにいさせて」
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