藍先輩の危険な溺愛レッスン。
瑠夏ちゃんが感心したように漏らした。


「なんのこと?」


「ほら見てよ、あの3馬鹿トリオ以外にもクラスの男子達すっかりテンションが下がっちゃって」


彼らの方を見ておかしそうにクスクス笑う瑠夏ちゃん。


「藍先輩は愛菜は俺のものだぞって牽制してたんだよ。
気が付かなかった?」


「う、うん」


「愛菜の方も先輩が好きすぎて仕方ありませんって感じだったもんね」


「あ、それは……」


返す言葉もない、100%その通りだから。


「フフ、いいなあ、傍にいなくても愛菜のことを守ってくれてるってことじゃん」


「う、うん」


そんな風に言われたら胸がきゅうんと鳴ってしまう。


そういう意味で彼はたとえ離れていても私の護衛役をしてくれている。


待ち合わせ場所まで送ってもらったのは結果的に良かったのかもしれないな。


「じゃあみんな揃ったみたいだからそろそろ行こうか」
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